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#25 持続可能な稲作のために。新潟県農業大学校との取り組みがいよいよ本格スタート!

岩塚製菓は、これからも質の高いお米を使って米菓を作り続けていくため、日本の農業の未来を担う学生さんを応援しています。
新たな取り組みとして新潟県農業大学校の学生さんが栽培に挑戦する、猛暑に強く米菓の加工にも適した品種「ゆきん子舞」の買い取りの契約を締結。環境にも配慮しながら、多収穫の実証実験に挑みます。
スタートとなった2024年4月末に行われた田植えの模様を紹介します。

「設定された目標以上の収穫を目指したい」

2024年の春は寒暖差が激しく農作物の生産が安定しない日々が続きましたが、新潟県農業大学校では、かねてより予定の4月25日に田植えを行いました。

対象となった「ゆきん子舞」の作付面積は約48 a(アール)。10 a(アール)あたりの収量目標は600kgです。

栽培を担当する学生の星野楓登(ほしの・ふうと)さんは「作付けする苗も自分で育ててきました。今のところ、苗の生育状況にはとても満足しています。少し根のハリは弱いですが、苗丈も揃っていますし元気そうなので、成長が楽しみです。自分としては10 a(アール)あたり660kgの収穫を目指したいです」と笑顔を見せてくれました。

新潟県農業大学校の稲作科では2年次に学生一人ひとりに実習用の田んぼが与えられ、各々が自分で選んだ品種の稲を栽培します。
学生の多くが実家の農家が栽培している品種や人気のブランド米を選ぶなか、星野さんは自ら本プロジェクトに立候補し、「ゆきん子舞」の栽培に臨んでくれました。

「ゆきん子舞」は高温に強いため、猛暑となっても美味しいお米が収穫できます。そのうえ、人気のコシヒカリに比べて早生であるため収穫時期を分散できる、多収である、という特長があります。

今回星野さんの試験では環境に配慮し、通常化学肥料で栽培するところ、半分を有機質であるケイフンを使って栽培することとしています。また、温室効果ガスを抑制するため、生育調節の作業である中干しを長くすることとしています。

岩塚製菓との取り組みが、多様な品種に挑戦する機会に

田植えは、田植え機を使って行われました。まっすぐに走らせることは想像以上に難しく、星野さんは他の学生を協力しあい、慎重にハンドルを捌いていました。

「自分の田んぼというものを初めて持つので、この機会はうれしく、張り切っています」と話してくれました。

新潟県農業大学校の校長先生は、「新潟では単価の高いコシヒカリを育てる人が多いですが、限られた品種だけを育てることはリスクを増長します。学生にはぜひさまざまな品種のメリット・デメリットを知ってほしい。そのために今回の取り組みのお声がけは非常にありがたいものでした。また、これからの農業は作るだけではなく『売る』ことも考えていかなくてはなりません。岩塚製菓との取り組みを通じて、実需がどこにあるのか学びを深めてほしいと思います。大学校産のお米で美味しいおせんべいが出来上がれば、学生にとっても励みになりますね」とコメント。

岩塚製菓では田植えに先駆けて、学生の皆さんに向けた工場見学を実施しました。一つ一つの商品を丁寧に製造している工程を実際に見ていただいたことも、星野さんをはじめとする学生さんのモチベーション向上につながったようです。

星野さんは、「今回のプロジェクトに立候補したのは産学連携に興味があったからです。これからの農業にどのように携わっていけるのかを知りたかった。僕の実家は農家ではありませんが、農業高校に通っていたので田植えの経験自体は今回が5回目です。年々田植え機なども新しくなっているので、先端技術を使いながら農業が発展していく様子を間近で見ることができています。農業は地元の経済を支えるもの。自分が参入し、農業を体験したい人を増やしていきたい」と参加動機と将来への意気込みを語ってくれました。

テレビ局や新聞社、5社のメディアが田植えを取材

TV局からインタビューされる小林常務

岩塚製菓と新潟県農業大学校が連携した取り組みは、地元である新潟を中心としたメディアからも注目され、テレビ局や新聞社など5社のメディアに田植えの模様が取り上げられました。

別のTV局の記者は、「私も大学時代に農業を勉強しており、質的農業の重要性を理解しています。年々農業従事者が少なくなる中で、いかに質の高い農業を行えるかがカギとなっている今、岩塚製菓と新潟県農業大学校の取り組みは、日本の農業の持続可能を考える足がかりとなるもので、素晴らしいプロジェクトだと思います」と取材後に話してくれました。

メディアからも注目されている、岩塚製菓と新潟県農業大学校との取り組み。今後の動きもぜひご注目ください。